バレンタインデーを中止したがる非モテたちの闘い 〜恋愛至上主義 VS サブカルチャー〜

バレンタインデー前日ですがみなさん、準備はいかがですか。


中1の時に好きな男の子にチョコをあげるも玉砕した経験から、早々とバレンタインデーを見限ってきた私です。


ネット上では毎年のように「今年のバレンタインデーは中止になりました」系のコピペが出回っておりますね。男子諸君にとって2月14日は、色恋沙汰に興味があるなしに関わらず自意識過剰になってしまう日なのでしょう、知らないけど。



日本のバレンタインは、チョコレート業界の陰謀によって始まったとか、ソニープラザのキャンペーンに由来するなどと言われたりしています



はじまりには諸説あるようですが、チョコレート会社が2月14日をバレンタインデーとして提唱したのがだいたい60年代、学生たちから主婦層にまで広く普及したのが70年代前半〜80年代とのこと。



まぁ、なぜ普及したかはこのくらいにして本題です。バレンタインデーが一般化して以来、モテるか否かがチョコの数で可視化されるようになりました。結果としてモテる男子が偉くなり、男子は女子の目を気にするようになりました*1



恋愛マーケットが男子の価値を決めていく。中にはそんな風潮を抑圧的に感じる層も出てきます。そう、モテや色恋沙汰からは距離を置く「オタク」の登場です




アニメなどの知識を収集することに熱中するオタクの存在が一般的になったのは、70年代後半〜80年代。彼らは1988年から翌89年に起きた宮崎勤の「連続幼女誘拐殺人事件」によりネガティブな烙印を押されてしまうわけですが、それ以降もオタクという集団は「恋愛マーケットから距離を置く人たち」として一定の存在感を示し続けています。




オタクたちと同様、女子の中にも恋愛至上主義とは一線を置く「腐女子」層が出てきます腐女子と同列に語られることは少ないものの、90年代以降はビジュアル系バンドに恋をし、西洋人形のようなファッションに身を包む「ゴスロリ愛好者」層も登場。彼女たちの性質は難しく言えば、「男女の抑圧的な性関係からの逃避」「成熟した女性の身体への拒絶感から虚構の身体を志向する」などと解釈することもできるのですが、それはとりあえずおいておくとしましょう。



とにかくかやは、腐女子ゴスロリ少女たちの存在理由の1つが「恋愛至上主義者たちとの差異化」にあると思うのですよ。「あいつらと自分は違う」というね




オタクが、バレンタインに一喜一憂するような恋愛ミーハー層を「ケッ」と感じる人たちだとすれば、腐女子ゴスロリ愛好者層もまた「恋愛至上主義者の女の子たちと自分は違う」と思っている層なんですね。日本を代表するオタク文化腐女子文化が、恋愛至上主義への反発から生まれた部分は大きい。




彼ら、彼女らは、抑圧的な恋愛中心的価値観との差異化をはかるために、オタクやボーイズラブという独自のカルチャーを生み出したのです
。これはミーハーな恋愛至上主義に抗う「対抗文化」といってもよいと思います。それが今や、政府が「日本発オタク・カワイイカルチャー」として鳴り物入りで輸出産業にしようとすらしている。恐るべし非モテ対抗文化。




バレンタインが今年も中止になるかはともかく、これを機に恋愛とサブカルチャーに思いをはせるのもまた一興ではあります。



まぁ高みの見物を装っているかやも明日、会社で配る義理チョコはバッチリ準備してたりしますけどね><



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*1:ここらへんの事情は堀井憲一郎著『若者殺しの時代』や中村うさぎ著『ババア・ウォーズ3 税務署の復讐』に詳しいです