おもちゃのハローマックのツイートから日本市場の開国と大店立地法へと思いを馳せている間にも・・・
ご無沙汰しております。かやです。
あっという間に11月半ば、2012年も終わりに近づいております。
1ヶ月と2週間後にはみなさんの大好きなクリスマス。
両親が厳しかったためクリスマスにプレゼントを買ってもらったことがない私はこの時期、
ショッピングセンターの店頭に溢れるおもちゃを見ると複雑な気持ちに。
昔、喉から手が出るほど欲しかったリカちゃんハウスが並んでいたりすると、
じーっと見つめてしまうのです。
おもちゃ屋さんといえば、
2009年に閉店した「おもちゃのハローマック」の公式と見紛うばかりの
Twitterアカウント(http://twitter.com/hello_mac_lion)が話題になっているようです。
ツイートするのはするのは同店のマスコット「マックライオン」。
「ぼく、ほんとはわかってるよ。みんなもうハローマックにはきてくれないんだって。でも、ぼくは
いまでもおもちゃのまちにいるよ。ねえ、ぼくはいつでもおもちゃのまちにいるよ。」(ツイート引用)
「あのころみんなはおとうさんおかあさんにすがっておねだりしていたけど、ぼくはマックライオン、
だれにすがればよかったのかな。」 (ツイート引用)
これらの切ないツイートに対して、ネット民からは「おもちゃのハローマックって閉店してたんだ」「始めてゲーム買ったのがハローマックだった」「切なすぎる」などのコメントが多数寄せられているもよう…
誰が何の目的でやっているのかはわかりませんが、フォロワーは開始後、数日で1万4000人を超えています。
どこまでフォロワーが増えるのかちょっと興味深くすらあります。
おもちゃのハローマックは1985年から2009年まで靴のチヨダが運営していたおもちゃの量販店。
愛らしいライオン「マックライオン」がトレードマークでした。
90年代前半に少年時代を過ごした人たち=今の30代くらいの世代にとっては、
親しみのあるおもちゃ屋さんではないでしょうか。
実際にその世代の知人に聞いてみましたが、
親に買ってもらったおもちゃに関する甘く切ない?思い出が次々に蘇ってきて胸の奥が締め付けられるような感慨を
覚えるとか、覚えないとか。
最盛期には500店舗を展開していたといいますが、00年頃から徐々に衰退し、09年に完全撤退。
日本のハローマックに代わっておもちゃ市場を制覇したのは、アメリカのトイザらスです。
トイザらスはハローマック誕生の6年後、91年に日本上陸。
当時は日米貿易摩擦の真っ只中。パパブッシュが2号店の視察に訪れるなど話題になったようです。
日本のおもちゃ市場にとってはまさに、黒船だったでしょう。
ただ、その後しばらくはチヨダのハローマックが優勢でした。
しかし98年にアメリカの外圧で(と言い切っちゃってもいいと思いますが)大店法が改正され、それまで地元商店街を守るために制限されていた大型ショッピングセンターの出店条件が緩和されると様子が違ってきます。
トイザらスは00年に100店舗を達成。
ハローマックその頃から、郊外型ショッピングセンターのテナントや大型店舗として展開する
トイザらスにお客さんを奪われ始めます。マックライオンの笑顔にも陰りが…
09年、ハローマックは完全撤退。
かつての店舗が今どうなっているかというと、靴のチヨダが展開する靴流通センターになっていたり、
コンビニになったり、TSUTAYAになったり。チヨダのウィキペディアには、異様なほど詳しい説明が載っています。
ここまで調べるとは。執筆者はよっぽど、ハローマックに対する執念があるのでしょう。
かつて、ハローマックのチラシをわくわくしながら眺めた今の20代後半〜30代くらいの人たちは、
トイザらスに負け、知らない間に姿を消したマックライオンのツイートを、ほろ苦い思いで読むことでしょう。
「あのころハローマックにきてくれてたみんながいまではハローワークにいってる。ねえ、そこにぼくはいないよ。」(ツイート引用)なんて言わないで。切なくなるから。
とはいえ、85年に誕生したハローマックが、それまで細々と生計を立てていた街の小さな玩具屋さんを潰してしまったという事実もまた、あるのでしょう。
そのハローマックが、今度はアメリカの外圧によって鳴り物入りで上陸したトイザらスに凌駕されるという。
閉店したハローマックの中には今、コスプレやアダルトグッズを売る「大人のおもちゃ屋さん」になっている店もあるようです。子どもの玩具から大人の玩具を売る店へ…
さてここまで、おもちゃ屋さんの栄枯盛衰に思う、日本市場の開国と大店立地法でした(そうか?)。
こんな風にハローマックに思いを馳せている間にも、クリスマスは刻一刻と近づいて来るのでした。